書評:『健康とウェルビーイングのための芸術の力:Music and Mind』 (編集:レネー・フレミング)
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【要旨】この「画期的な」書籍は、「NeuroArts Blueprint(神経芸術の青写真)」という新たな学問領域の確立を目指すものであり、そのトーンは序文から明確に打ち出されている。序文は、米国国立ヒトゲノム研究所の上級研究員であり、前国立衛生研究所(NIH)所長であるフランシス・S・コリンズ博士(MD, PhD)によって執筆された。本書では、以下の3つの研究分野の可能性が示唆されている;1) NIHが資金提供する「ヒト脳プロジェクト(BRAIN Initiative)」を通じて、神経科学と言語、音楽療法の間にある共通の理解と接点を探ること、2) 音楽および芸術療法の介入が、保険会社(第三者支払機関)による償還の対象となるような制度化の必要性、3) 「Sound Health Network」によって示されたような、査読付きで設計の整った信頼性の高い研究に基づく、より深い科学的検証の実施。この書籍は、世界的に著名なオペラ歌手であり、音楽および創造的芸術による健康とウェルビーイングの推進者でもあるレネー・フレミングによって編集・監修された。内容は、神経科学者、音楽療法士、美術療法士、医療チーム、メンタルヘルス専門職、音楽教育者、非営利団体の革新者らによる研究と実践の世界を巡る貴重な旅となっている。各章では、研究成果や逸話、事例研究、サービス提供の現場経験が紹介されており、創造的芸術を通じた支援が人間性の根幹にかかわる重要な営みであることを、多角的な視点から伝えている。